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報連相できない人をできるようにする方法
会社に入社すると、真っ先に言われる「報連相」。
これは、報告・連絡・相談を略したものですが、新入社員でなくてもなかなかきちんとできていない人も意外と多いものです。
しかし、報連相が抜けていると様々な場面で問題が起きてしまい、その人の個人評価だけでなく会社としてのパフォーマンスを下げてしまう原因ともなってしまいます。
そこで、今回は報連相と上手く付き合っていく方法について見て行きたいと思います。
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改めて報連相って何?
先ほど述べたように、報告・連絡・相談を略したものです。
まず、報告とは上長や先輩、同僚からの指示や指令、依頼に対して、部下や担当者が状況や結果を知らせることを指します。
次に、連絡とは出来るだけ余計な付加情報を加えずに、必要な情報だけを適宜関係者に通知することです。
最後に、相談とは指示や指令、依頼を受けた担当者が、自己で判断ができない場合や意見を聞いてもらいたい時などに、上長や先輩、同僚に状況を話してアドバイスをもらうことになります。
文章で書くと簡単そうな報連相ですが、新入社員に限らず「報連相のタイミングややり方がよくわからない」と悩む人や、「報連相が苦手な部下がいて困る」と感じている管理職の方は少なくないと思います。
しかし、何かしら困ったときに上長や先輩、同僚に相談してアドバイスをもらうことはもとより、定期的に報告をして本人が気付かないリスクに気付かされたり、情報を連絡していつでも協力を仰げるようにすることは仕事の成功率を上げる事にも繋がります。
そのため、報連相を的確にする若手は、上司や先輩に安心感をもたらし、優秀な人材として評価されるのです。
では、なぜ報連相を適切に行うのが難しいのでしょうか?
それは、報連相の運用をルール化していない事に集約されるでしょう。
報告と連絡はルール化できる
実は、報告と連絡はルール化しやすく、相談はルール化しにくくなっています。
よく行われる、報連相の運用ルール例を見てみましょう。
- 報告 → 毎日18時に進捗をメールすること
- 連絡 → 成果物が完成したタイミングでメンバーに周知すること
- 相談 → 何か困ったら相談すること
報告と連絡はルール化できていますが、相談だけ本人の裁量に任せられてしまっていることがわかります。
これは、「現在○○の状況ですから、順調に進んでいます。」といった報告や、「お客様から、××と伝えられました。」といった連絡は、決められたタイミングや事象に沿って行えるのは、報告や連絡は外的要因により実施するからです。
一方、相談は「問題に直面した」、「対処の仕方がわからない」など本人の内的要因により実施する必要があるため、ルール化が難しいのです。
報告と連絡ができない人材への対処法
見てきたように報告と連絡は、基本的にルールで実施できるものです。報告と連絡はルールとして明文化しましょう。
それでも、ルールを守れない人は、ルールに価値が無いと感じているか、忘れてしまうかのどちらかです。本人とよく話をして、この2つのどちらかを見極めて対処する必要があります。
価値が無いと感じている場合は、「報連相してもらうことで、あなたに協力する」という目的を伝えましょう。
忘れてしまう場合は、習慣化できるまで根気強く指示する必要があります。
相談できない人材への対処法
相談は、本人の裁量に委ねられるため、相談せず自己解決すべきか、相談して協力を仰ぐべきかの判断が難しいといえます。
状況によっては、相談せずに自己解決しようとしてうまくいかず、「何で相談しなかったんだ!」と叱られたり、簡単なことを相談して「自分で考えろ!」と叱られたり、どちらにせよ叱られてしまうと感じたこともあるでしょう。
相談して叱られるのも、相談せずに叱られるのも、どちらにせよ気分が悪いものですが、「何で相談しなかったんだ!」と叱られるのは、最悪な状況です。なぜなら、第3者が問題に気付いたタイミングでは、対策が間に合わない可能性が高いからです。
つまり、相談不足より相談過剰の方がマシなのです。
相談できない人材の傾向
相談ができない人材は、「責任をもって仕事を終わらせる」という意図が「自分ひとりで抱え込んで終わらせるべき」と思い込んでしまっている可能性が高いです。
もし、責任感から相談しないのであれば、「他人の力を借りてでも結果を出そう」という意識に切り替えさせる必要があります。また、相談しやすい環境を作ることも大切です。相談に来た部下に対して「よく相談したな」と褒めることから始めるとよいでしょう。
相談できる人材に育てるには
では、どのようにすれば、多くの相談ができる人材に育てられるのでしょうか。
これは、心構えとか気持ちの問題で片付けてしまうとなかなか改善できません。このような基本的なことを出来るようにするためには、相談においてもルールが必要です。
ここでは、研修の中で採用しているやり方をご紹介しましょう。
○分悩んだら相談
「わからないことに直面して、手が止まってから30分経ったら相談する」のように、考え始めてから経過した時間で相談する、というルールを守らせます。
これにより、相談するタイミングが明確になります。
ただし「手が止まってから」というのは、本人しかわからないことなので、第3者がルールを守れているかを検証することができません。
1/3報連相
1/3報連相は、報連相を1/3にカットするという意味ではありません。タスクの計画として報連相をするタイミングを予め決めてしまうやり方です。
1/3報連相は、以下のように行います。
- 与えられたタスクを1日以下のタスクに分割する。
- タスクの所要時間を見積もる。このとき、終わるか終わらないか五分五分の見積もりにする。
- 見積もった時間を三等分する。
- 1/3のタイミングにタイマーをかけておく。
- 1/3のタイミングで2/3のタイミングまでにタスクが完了するか考える。終わると確信できなければ相談する。
ポイントは、1/3のタイミングでは2/3のタイミングまでにタスクが全て終わる可能性はかなり低いため、相談するのが当たり前のルールになっているという点です。
もし、1/3報連相で運用して、相談しなくても計画通り進んだ場合は、見積りが甘かったという事であり、相談せずに見積り通りに終わらなかった場合は、相談に対する意識の低さが原因と言えるでしょう。
また、このルールで繰り返し作業をしていると、コミュニケーションが活発になって、上司や先輩の負荷が上がります。そうなると、先輩や上司の作業が進まなくなってしまいます。
しかし、思い返してください。
相談不足より相談過剰な方がマシなのです。この相談過剰な状態から、その人材に任せる範囲を広げて相談を減らしていけばよいのです。
このように、報連相をルール化して運用する事で、相談できる人材に育てる事はできるのです。
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